アルファ代表のブログ

中大教授殺害事件教訓その2ーFailure is the mother of success

前回の教訓は、主に未成年留学生の保護者向けのものでしたが、今回は留学生に直接関係する教訓についてお話しさせていただきます。

高校留学とは、基本的に言語や文化の全く異なる世界に飛び込んでいくことですから、最初から最後まですべて自分の想像通り、思い通りに事が運ぶということはまずあり得ません。どんな人でもつまづいたり、壁に突き当たったりして時にはホームシックになったり、途中で投げ出したくなったりすることがあるようです。それでも大半の人は踏ん張って当初の予定を全うして帰国しているのですが、中には適応できずに途中で学校を転校したり、一時帰国して国を変えたりするケースもあります。

本人や保護者にとってはこれは大変な挫折であるわけですが、それでも人の真価はこのような大きな挫折を味わった時に発揮される、あるいは試されるもののようです。大切なのはこの挫折した地点が終点ではなくて、将来への大きな分かれ道だという認識を持てるかどうかということのようです。そして、この挫折や失敗から何かを自分なりに学べたかどうかで、その後の結果は大きく異なって来ます。

失敗は成功のもと、英語では Failure is the mother of success と言われる諺は誰でもご存じだと思うのですが、これは失敗をただ繰り返していればやがて成功するという意味とは違います。失敗した原因を自分なりに分析して、同じ失敗は二度と繰り返すまいと固い決意を持てた人だけが、この諺を活かせるもののようです。そうじゃないと、環境が変わっても同じようなあるいは似たような失敗を何度も繰り返すだけで、成功につながることはありません。中大教授を刺殺した容疑者が短期間に何度も職場を転々と変わっているのがそのよい例だと思われます。転職をするには、やむを得ない事情があることもあります。けれど短期間に似たような経緯をたどって退職を繰り返すということは、前職での経験がほとんど次の行動に活かされなかったいう証拠です。

話はがらりと変わりますが、不登校の生徒を持つ保護者からお電話やメールで「うちの子は不登校ですが、留学して成功できるのでしょうか」というご質問をしばしば受けます。私は不登校相談室でも書きましたが、そもそも、性格や能力、成育歴など異なる生徒を「不登校」と一括りにしてしまうことに抵抗を覚えるのですが、それはこの際おくとして、成功できるかどうかのポイントは2つあるように感じています。一つは御本人に留学に対する前向きの気持ちがあること、そしてもう一つが自分が不登校になった原因を自覚して、もし自分の側に何らかの失敗や至らない点があったと自覚しているならば、それを繰り返さないようにするという決意があることの2つに集約されます。

2つ目に関しては、自分の性格に深く関連したり、長年慣れ親しんだ行動パターであったりするケースが多いので簡単ではないのですが、日本では1年半以上ほとんど中学校へ登校していなかった人が留学先の高校ではほとんど毎日通って優秀な成績を収めたという成功例も私は実際に体験しています。しかし、この一方では、失敗や挫折からほとんど何も学ぼうとしないため、せっかく留学しても同じようなことを何度も繰り返してしまうという人も残念ながらいたことも報告しなければなりません。

このように失敗から何も学ぼうとしない人は論外ですが、たとえ失敗から学んだことを次に生かそうとしても、状況が異なれば別の失敗をしてしまうことも稀にあるでしょう。しかし、たとえそんなときでも、次こそはという意欲を持ち続けることはとても大切だと思います。かの有名なイギリスのウィンストン・チャーチル元首相の次の言葉にありますように。
 ーSuccess consists of going from failure to failure without loss of enthusiasm
  (成功とは意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである)